2019年第5回定例会での採決態度について

今回の議会では全国から注目されている
「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」について採決が行われました。

私は委員会の場で会派を通して「継続審査」を主張しましたが、
委員会では継続審査を求める声が少なく、結果的に可決をもって本会議に戻されました。
そこで本会議での採決時には、「賛成」「反対」ではなく「離席」という判断をしました。

委員会所属ではなく、かつ、本会議で個人の考えを主張する機会はないため、
改めてここで意図をお伝えしたいと思います。

意図➀
➀:条例内容には賛成できるが、解釈指針を確認した上で賛否を確定させることが望ましいため。

「反対」ではない理由はここにあります。
そもそも市議会として決議をあげるタイミングなどでは、
「裁判になることを覚悟してでも、差別的な言動を抑止するようなルールは必要」
という旨を市に対してお話していました。

一方、具体的な運用方法は「解釈指針」として今後示される予定になっています。
解釈指針は議決案件ではなく、市議会の意思決定権限の外にありますので、
議員として意見を伝えることはできますが、行政がそれに耳を傾ける法的根拠はありません。
実際に市民生活にどのような形で影響を与えていくのかがわかるという意味では、
この解釈指針も条例本文とあわせて確認し、賛否について判断すべきだと考えました。

意図➁:罰則施行の7月までの期間が「市民への周知期間」ではなく「行政の準備期間」としての意味合いが強いため。

今回の条例では周知期間として、罰則などの適用を7月1日からとしています。
新しくできる条例が「どのようなものなのか」「市民生活にどのように影響するのか」などを
市民に知って頂く大切な期間で、より具体的なイメージとして市民に周知される必要があります。

ところが今回はこの期間中に、解釈指針などを確定させていきますので、
周知期間中に市民が具体的なイメージをもって条例と向き合う時間はそれほど担保されないおそれがあります。
これでは行政の準備期間としての意味合いがあまりにも強く、周知期間としてみなせないのではないかと考えました。

意図➂:一般的に継続審査は望ましくないが、短期間で確実に再審査が見込まれるものであればその限りではないため。

川崎市議会には市民からの意見・提案として多くの請願・陳情が寄せられています。
平成30年度の審査結果は、28%が(趣旨)採択、26%が不採択として結論が出される一方で、
46%は継続審査として「推移・経過を見守る」という判断となっています。

私は意思決定機関として基本的には結論を出すことを心掛けているため、
議員になってからの5年間で継続審査を主張したことは3回で、
請願に対して1回
陳情に対して1回
議員の派遣(海外視察)承認に対して1回です。

被害にあわれている方々が「1日でも早く」と切実にお考えであることは直接お伺いしてきましたので、
非常に悩ましい判断ではありましたが、再審査が確実である本案件については継続審査が妥当ではないかと考えました。

以上、3点が主な理由となります。
今後とも条例第1条に示されている社会の実現に向けて尽力してまいります。

重冨達也